SEのOJTと人材不足の悪循環
◆慢性的な人手不足と高齢化が進む現場
10月19日のマイナビニュースのサイトで
紹介されたもので、こんな記事がありました。
「世界一人材不足を感じている国は?」
http://news.mynavi.jp/news/2016/10/19/381/
そして、第一位に輝いた?のが・・
残念ながらここ。日本でした。
その日本が人手不足を感じている職種
トップ3は以下のとおり
1位:エンジニア
(機械・電気・土木のエンジニア)
2位:IT系の開発者
(プログラマー、リーダーなども含む)
3位:営業/販売職
この順位を見てもわかるように、今、
SEは不足している・・・と思われています。
人手不足が慢性化している現場。
ついでに言えば、高齢化も年々進んでいます。
こんな状況に対して、マネジメント側も
新しいメンバーを増員して、
人手不足解消や、チームの活性化(若返り)を
図ろうとします。
ただし、こういったメンバー増員対策などが
結果として、思惑どおりにいっていないから
人手不足第一位という結果に
なってしまっているのだと思います。
◆若手には社会人としての一般教育から必要
なんとか予定の要員数を集める事が出来た。
次に必要となるのが、
新しく加わったメンバーの戦力化です。
新加入メンバーが感じるであろう
どこに何があるのか?
なぜそうするのか?
何がどうなっているのか?
について、あらかじめインプットしないと
彼らはいつまで経っても戦力になりません。
そして、
その新加入メンバーが、社会人として日が浅い
若手だったりすると
報告の仕方、文章の書き方、
パソコン操作などの最低限の技術、
社会人としての自覚など
いわゆる基本動作という部分も同時に
教えていく必要があります。
◆OJTに頼るしかない現場
若手の教育方法は会社によって様々ですが、
大抵の会社は、入社してから数日~数週間
大手になると数ヶ月を研修期間とします。
そして、研修期間のあとは、仕事をとおして
専門的な知識の修得や、業務経験を積んでいく
「ON THE JOB TRANNING」
いわゆる’OJT’が中心となります。
しかし、
若手の教育が、研修+OJTのやり方で
どこまで効果的なものが出来ているかと
言えば、ちょっと微妙なところです。
特にOJTに関しては、
実践をとおして学んでいると言えば
聞こえは良いですが、
実際のところは、十分なサポートも受けられず
あとは若手の資質次第みたいな感じに
なってしまっているのが、ほとんどのような
気がします。
これは、教える側の人間の
「自分の仕事以外をする余裕がない」
「誰かに対して教えた経験がない」
といった要因などが大きく関係しています。
じゃあ、できる人間を教育担当にすれば
良いかといえば、そうもいきません。
そもそも、人手不足にある現状で、
誰かに教えられるようなSEは、
重要な開発案件にすでにかりだされています。
そんなどうにも厳しい状況だったとしても
要員の数は増やしていかなければならないので、
とりあえず、OJTでやっていこうという建前で
人を採用し、現場に投入していきます。
◆無理な状況を脱しない限り好循環は生まれない
十分な教育ができなければ、
新たに加わった若手が戦力になることも
チーム全体がレベルアップしていくにも
時間がかかります。
戦力が整わないうちに、仕事を抱え込めば
品質を下げるリスクも高まります。
そして、その過程の中で、
また別の誰かが離脱するような事になれば
また違う要員が必要になってしまいます。
どこかで、OJT頼みの状況を脱しない限り
悪循環が発生するリスクにいつも晒され
好循環も生まれてこないのです。
リーダーも、人事も、現場の人間みんなが
そんな現場をわかっています。
わかっちゃいるけど、どうにもできないと
思っています。
本当は、そんなわかっちゃいるけど、
どうにもできないという思い込みから、
捨てていかないといけないのかもしれません。
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