SEの仕事あるあると日大アメフト部の反則タックル事件。謝罪会見から見えてくる共通点

2018.05.31 (木)

🔷そんな指示はしていない?本当に悪いのは誰だ?

ここ最近、連日のように日大アメフト部の

悪質なタックルに関する事件について

TVで報道されています。

 

謝罪会見でコメントする監督とコーチに対して

多くの人が納得できずに、

問題への追及は収まるどころか

よりヒートアップしていく感じです。

 

私自身も、TVで放送された記者会見からは

監督やコーチが何か言い逃れしているように

感じました。

 

また、加害者となった選手も、

問題の基となった反則タックルは、

監督やコーチの指示だったと述べたものの、

どこか想いの全てを吐露してるという

感じはなく、本当に言いたい事を

まだ抑えているように印象を受けました。

 

この事件について、

多くの人がコメントしているのが、

この問題の根っこの部分は、

「監督の言葉はいつも正しい」

「ここでやっていこうと思ったら、

選手は絶対に逆らうことができない」という

組織にあるヒエラルキーです。

 

ここで一つ私が思ったのは、

誰も監督に逆らえないという現状。

選手が精神的に追い詰められていく流れ。

これこそが諸悪の根源だと

誰よりもそれを言いたかったのは、

反則タックルをしてしまった加害者選手

自身ではなかったのかということです。

 

しかし、それが彼の口から

明確に述べられる事はありません。

なぜなら、自分自身が問題の当事者であり

聞き方によっては、

責任逃れと取られるような事を

自ら言う訳にはいかないからです。

 

そして、SEの現場でも、

これと同じような問題があります。

 

🔷SEの仕事あるある「うっかりミス」が起きる時

 

SEの仕事あるある。

もう溢れんばかりになっている作業タスクを

慢性的な残業に文句も言わずに

ひとつずつこなしていくSE。

 

そこまで、作業環境は悪くなかったとしても

伝えられるのはざっくりした要件と、

絶対に調整できない期限。

 

そして、何から何まで全てを丸投げしてくる

マネージャーや顧客サイドのSE。

 

こんな状況で作業をしていると、

どんな人でもミスの一つや二つ出しても

決して不思議ではありません。

 

そして、ある日、起きてしまった作業ミス。

悲劇はここから始まります。

 

リリースしたシステムにバグが見つかると

当然ながら、顧客側は

何故、そのバグが埋め込まれたのか?

何故、その間違いをリリース前に

見つけられなかったのか?

を聞いてきます。

 

明らかな要件漏れや、伝達ミスなどがあれば

原因もわかりやすいですが、

うっかりミスとしか言いようがないものは

答え方にとても困ります。

しかも、残念なのは期限やプレッシャーに

追い詰められている時にかぎって、

うっかりミスが起きてしまうものなのです。

 

実際にミスをしてしまったのは担当者、

ただし、そのミスを誘発する状況を作ったのは

いったい誰なのか?

 

🔷 原因を追及するマネージャーがやってしまう事

リリース後のシステムのバグが発覚した時、

そのミスの原因を報告しなければならない

マネージャーは

実際にミスをしてしまった担当作業者から

ヒアリングを行います。

 

最初は、友好的なマネージャーのヒアリングも、

その原因がイマイチ掴めないと、

段々と担当作業者への追及が

きつくなっていきます。

 

「なぜ、ここに気が付かなかったのか?」

「なぜ、ここを確認しなかったのか?」

「普通は、こう考えるべきでしょ?」

 

作業担当者も、そんな事を一から言われなくても

わかってます。

しかし、うっかり起こしてしまったミスについて、

それ以上の原因は答えようがないものです。

 

しかし、作業担当者への追及は終わりません。

本当は、追及してくるマネージャーに対して、

 

「こんな無理な状況で仕事を受けてきた・・

大した情報もなく作業を丸投げしてきた・・

あなたにも責任の一端はあるでしょ?」

 

・・・と言いたいのですが、

それを言ってしまうと、

自分が責任逃れをしていると思われるので

それは口には出せません。

 

そして、これをきっかけに目には見えない問題が

ここでまた一つ生まれます。

それは、マネージャーと作業担当者間の

信頼関係の崩壊です。

 

この問題の大きさによっては、

作業担当者の現場離脱にも

繋がってしまいます。

マネージャーからしてみれば、

現場についていけなくなった作業員が

ただ辞めたがっているとしか思えず、

まさか、メンバーの離脱原因を

自身が作ってしまうとは。

夢にも思ってはいません。

 

🔷ミスの原因究明に必要なこと

なぜ、ミスの原因究明を行っているかといえば、

次に同じミスを繰り返さないためです。

しかし、報告のための原因究明をすれば、

見方、考え方も偏ったものになりがちです。

 

もしも、その場しのぎの報告のため、

作業担当者ひとりの責任だけを追及し、

問題が改善されることもなく、

現場の信頼関係だけが崩壊する。

こんな顛末だけは、

絶対に回避しなくてはなりません。

 

ミスの原因究明は、

担当者の行動だけじゃなく、

その時の状況、立場、心情まで含めて

考える必要があるという事です。

 

最後に余談ですが、

日大の監督、コーチを除名処分とした

関東学生アメフト連盟が行った会見は

見事でした。

 

除名処分という結論に至った理由、

他の可能性(監督・コーチの言い分)を

却下した理由、

この二つについて、

試合のビデオから具体的な事実を、

他の選手のコメントなどからは、

目には見えない心情の部分や、

それまでの経緯を示し、

 

結論とのつじつまをしっかり合わせながら

とてもわかりやすく説明していました。

SEとしてもお手本とすべき会見でした。

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