SEが育たない「言ったもん負け」の空気
◆「言ったもん負け」という言葉
「言ったもん勝ち」という言葉があります。
これは、最初に発言や提案をした人が
みんなを誘導するよう流れや
何らかの既成事実を出来上がり
有利な状況に作りだすことです。
あまりよろしくない現場には、
この逆の、「言ったもん負け」という
言葉があります。
これは、なんらかの改善提案や
以前からある間違いを指摘などすると
それを言った本人が、
その発言した内容を、
責任持ってやらなければならない
という状況が生まれてしまう事です。
この「言ったもん負け」は
周りの人は、そのアイデアには賛成しますが、
いざそれを実行にうつす時になると
発言した人に全てが押し付けられてしまいます。
発言した人は、
もともと予定されていた作業があっても、
提案をしたのは自分なので、
もうやるしかないという状況に
追い込まれています。
時すでに遅し
まさに、言ったもん勝ちの正反対。
◆うまく立ち回るか、言われた事だけやるか
とくに自分から何かを言い出さなければ、
言ったもん負けの状況になることはありません。
しかし、改善すべきことや、
間違いなどが現実に身の周りにあれば、
誰かがそれを口にしないといけません。
うまく立ち回れる人は、
指摘だけをして、自分自身はやらずに済むような
対処方法も一緒に提案します。
良い現場、良い提案者ならば、
特定の人にだけ負荷が掛かるようなアイデアは
出てこないものですが、
あまりよろしくない現場では、
同じような事が起きても、
誰に押し付けようか?という見えない空気が
いつも漂っています。
性格上、誰かにおしつける事ができない人は
へたに口にすると、それは自分がやる事にしか
ならないので、
じっと静かにして、言われた事だけをやります。
とりあえず、
安全を確保した状態かもしれませんが、
ふと、この先の将来を考えた時、
「こんな感じでずっとやっていくんだろうか?」
という虚しさや不安が生まれます。
◆成長意欲のある人がはじかれる
言ったもん負けの空気は、
仕事に対して受け身の状態を作ります。
やっぱり、
「これをやってみたい!」
「ここをもっと良くしたい!」
「こんな事を実現したい!」
思ったことはすぐに言える
評価なんか気にせずにチャレンジできる
そんな現場の空気が、
そこにいる人を育てます。
そして人が育つ現場には、人が留まります。
人が育たない現場は、
無意識のうちに、
成長意欲がある人をはじき出してしまいます。
もしも、
言ったもん負けの空気を感じたら、
その原因を探り、その原因を取り除くことを
オススメします。
それが、現場を良い状態に保ち、
より良い状態にステップアップさせていく
必要条件です。
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